内子町八日市護国地区は、約六百メートルの旧大洲街道沿いに白壁の土蔵造りと木蝋商家の屋敷が連なる重要伝統的建造物群保存地区で、四国で最初に一九八二年四月一七日に選定された。江戸期から明治末まで木蝋と和紙で栄え、愛媛県の晒蠟生産量は全国一で、その七割を内子が占めた歴史を持つ。旭鶴の商標で海外にも輸出された豪商本芳我家、上芳我家、大村家の屋敷は一九九〇年に重要文化財に指定され、上芳我家の製蝋用具は一九九一年に重要有形民俗文化財となった。白壁は海鼠壁と漆喰鏝絵で飾られ、鶴亀や波の意匠が見られる。電線の地中化と美装化舗装により景観が保たれ、一九八六年には日本の道百選旅情をかきたてる市の道に選ばれた。内子座や木蝋資料館と合わせて徒歩で巡るのが定番で、松山から特急で二五分、古い町並みの奥にはからり直売所や和蝋燭屋が点在している。町並み保存センターで模型と映像も見られる。 八日市護国地区では毎年秋に木蝋まつりが開催され、和蝋燭作り体験や白壁ライトアップが行われる。地元の小学生がガイド役を務めることもあり、次世代への保存意識の継承が図られている。 地元ボランティアによる無料ガイドや多言語パンフレットも整備され、外国人旅行者への案内が充実している。訪問前の公式サイト確認とマナー遵守が、より深い体験につながる。