屋久島は鹿児島県大隅諸島に属し、鹿児島市から南南西約60キロの太平洋に浮かぶ周囲132キロの円形に近い花崗岩の島で、1993年に白神山地とともに日本で初めてユネスコ世界自然遺産に登録された。標高は九州最高峰の宮之浦岳1,936メートルを擁し、「洋上のアルプス」と呼ばれる地形は海抜0メートルからいきなり1,900メートル級の山岳がそびえ、「月に35日雨が降る」と形容される多雨と豊富な水が千年以上の樹齢を持つ屋久杉をはじめとする照葉樹林を育んできた。屋久杉は著名な縄文杉が樹齢7,200年と推定されるなど日本最大級の巨木で、「もののけ姫」の舞台のモデルとされる白谷雲水峡では苔むした森が神秘的な景観を広げる。白谷雲水峡の入り口は宮之浦港からバスで約40分、荒川登山口から縄文杉へは往復10時間のコースで、年間雨量は8,000ミリから10,000ミリにも達し、屋久島全体でも4,000ミリを越える。島の約90パーセントが森林に覆われ、90パーセントが急峻な山岳部でありながら、島民約12,000人が暮らし、林業と漁業、エコツーリズムが支えになっている。観光客は屋久島空港への直行便、または鹿児島港からの高速船トッピー・ロケットで約2時間半で到着。2025年現在、山岳部はマイカー規制が行われており、環境保全のための協力金1,000円が徴収される。屋久島杉の成長の非常に遅い木目は油分を多く含み、かつては平木屋久杉として屋根材として江戸時代に年貢として本土へ運ばれた歴史も持つ。苔むす森コースは約3時間、太鼓岩からは宮之浦岳を望む絶景が広がる。自然災害で破損した登山道の修復活動も行われ、天気が変わりやすいため厳重な装備が求められるが、その分原始性が保たれた森の息吹を全身で体感できる島として国内外から多くの訪問者を惹きつけている。