大歩危・小歩危は徳島県三好市山城町を流れる吉野川中流、四国三郎の異名を持つ激流が四国山地を横断して削った約8kmの渓谷。約2億年にわたる地質活動で三波川変成帯に属する結晶片岩が隆起し浸食され、V字谷と大理石の彫刻のような白緑の岩肌が現れる。地名の由来は断崖を意味する古語「ほけ」からとする学説と、大股で歩いても危険だから大歩危、小股でも危険だから小歩危という民話的説明が併存し、旅人の慎重さを物語る。大歩危峡は間近で褶曲や片理が観察でき、日本列島の成り立ちを知る貴重な露頭として平成26年3月18日に国指定天然記念物、平成27年10月7日に国指定名勝に指定、平成30年2月13日には下流約3kmの小歩危峡が追加指定され「大歩危小歩危」として名勝化、剣山国定公園に含まれる。小歩危は規模は小さいが砂岩片岩の縞模様が美しく奇岩怪石の連続が見事。観光の起点は19世紀末に鰻漁の小舟で案内を始めた大平磯吉の工夫で、100年以上続く大歩危峡遊覧船は30分ほどで急流と渦を避けながら進むスリルと静寂が同居する体験、春は桜、秋は紅葉がエメラルドグリーンの水面に映える。現代は世界屈指のラフティング場として4級の瀬が連続し、SUPやカヤックも盛ん。国道32号沿いの道の駅大歩危、JR土讃線大歩危駅から徒歩約30分または車5~15分とアクセスも良く、祖谷のかずら橋や温泉と併せたジオパーク旅に最適。