あらぎ島は和歌山県有田郡有田川町清水にある日本を代表する棚田景観であり、平成11年(1999年)に農林水産省の棚田百選に選定され、2013年には国の重要文化的景観に選ばれた有田川町のシンボルである。有田川の湾曲部に沿って形成された直径約300メートル、高低差約80メートルの扇状地すべてが54枚(時期により34枚とも数えられる)の棚田で埋め尽くされ、上空から見るとアンモナイトの化石や円形競技場のような幾何学的美を見せる。江戸時代初期に開墾が始まり、石積みの畦畔は地元の小判型の石を積んだ独自の工法で、水路は有田川の支流から引かれる天水と湧水を併用する。棚田の水鏡が映る田植え期の4月下旬から5月、稲が黄金色に染まる9月下旬から10月が最も美しく、夜間にはランタンの点灯イベントも行われる。寒暖差の大きい清水の気候で育つ山椒とぶどう山椒、有田みかんと並ぶ米は粘りと香りが評価される。展望所は国道480号沿いの道の駅あらぎの里と対岸のあらぎ島展望台があり、駐車場から徒歩5分である。JR紀勢本線藤並駅から車で約50分、または有田ICから約60分であり、公共交通は有田川町コミュニティバス清水線で清水バス停下車徒歩10分である。住民主体で保全活動が行われ、年間を通じて稲作体験と棚田オーナー制度で都市との交流が続けられている。