瀞峡は和歌山県新宮市・奈良県十津川村・三重県熊野市の3県境を流れる北山川・熊野川水系の峡谷の総称であり、吉野熊野国立公園に含まれる。古くは本宮から新宮間を九里峡と呼び、明治初期に瀞八丁が紹介され後に上流の上瀞・奥瀞まで範囲が広がった。下瀞にあたる瀞八丁は国の特別名勝・天然記念物に指定され、両岸に高さ約50メートルの断崖・巨石・奇岩・洞窟が約1.2キロにわたって続き、屏風岩(高さ20メートル幅87メートル)、天柱岩(高さ45メートル)、寒泉窟(奥行42メートル)、獅子岩・亀岩・松茸岩・夫婦岩・墜落岩・竜泉窟・洞天門などの景観が連続する。巨石は約1500万年前の熊野酸性火成岩や付加体のチャートが浸食されて露出したとされる。新宮の志古港からは瀞峡ウォータージェット船と動力付き筏下りで瀞八丁を巡る約1時間のコースが運行され、田戸の展望所からは瀞ホテル下の渓谷を一望できる。JR紀勢本線新宮駅から熊野交通バス熊野本宮行きで約35分志古下車がウォータージェット船乗場、上瀞へは宮井大橋で乗換えが必要である。瀞峡は日本二十五勝にも選ばれた日本屈指の渓谷美であり、ウォータージェット船の水飛沫と奇岩の造形は訪れる者を圧倒する。 さらに、歴史的背景と地質学的価値、交通アクセス、周辺観光を含めた総合的な魅力は、訪れる旅行者にとって学びと癒しの場となり、四季折々の風景とともに記憶に残る体験を提供する。地域の保全活動と観光振興のバランスが保たれ、持続可能な観光モデルとして評価されている。