瀬戸内海東部、小豆島の西約3.7kmに浮かぶ面積14.5km²、人口約800人の島。中央の壇山からの湧水が棚田を潤し、かつては酪農で「ミルクの島」、福祉の先進地で「福祉の島」とも呼ばれた。1970年代からの産業廃棄物不法投棄で全国最大級の産廃問題を抱えたが、住民と行政の長い闘いと処理を経て環境再生に転じた。転機は2010年10月に唐櫃の棚田中段に開館した豊島美術館。建築家・西沢立衛が柱一本ない40×60m、高さ4.5mの水滴形コンクリート・シェル構造を実現し、天井2つの開口から風・光・音が入り込む。アーティスト内藤礼の《母型》は床に湧く水玉が一日かけて泉へ集まる作品で、鑑賞者が床に座り音を聴く体験が核にある。休耕田を住民と共同で再生した敷地全体が「豊島の風景をそのまま受け入れる母型」というコンセプトにある。瀬戸内国際芸術祭の会場で直島・犬島と共にベネッセアートサイトの核。家浦港から美術館前までバス15分、唐櫃港から徒歩15分、レンタサイクル約30分。米・イチゴ・レモン加工、棚田の景観とアート、唐櫃岡集落の保存が一体で楽しめる。撮影は内部撮影不可、敷地外観は西側・午前が逆光を避けやすい。ごみ持ち帰りと棚田踏み込み禁止がマナー。