紅型(びんがた)は琉球王国時代から続く型染の最高峰で、鮮やかな原色と南国の動植物を大胆に配した文様が特徴の染織品。王族や士族の礼装として発達し、庶民は着用を禁じられた。国王の衣装は黄地が原則で、位階により色彩が厳格に定められた。技法はインドの更紗、中国の夾纈、ジャワのバティックが融合したといわれ、図案作成、型彫り、型置き、色差し、隈取り、蒸し、水元の工程を経て完成する。一反を染めるのに2ヶ月を要することもあり、顔料はかつては貝灰や植物染料を用いた。文様には琉球松やデイゴ、芭蕉、鶴や龍など吉祥と自然への祈りが込められる。第二次世界大戦で型紙や道具の多くが焼失したが、城間家と知念家が戦前から守った型紙を元に復興し、人間国宝に城間栄喜氏が認定された。那覇市首里の首里琉染や那覇市松尾の知念紅型研究所では染め体験ができ、型置きの糊の香ばしい匂いと、隈取りで濃淡を付ける筆さばきは見学だけでも圧倒される。化学染料の台頭で量産型もあるが、本物の紅型は色落ちせず100年持つ。かりゆしウェアへの応用やタペストリーなど現代の暮らしにも溶け込み、沖縄の太陽をそのまま閉じ込めたような衣として観光客にも人気が高い。