琉球料理は医食同源を意味する「クスイムン」「ヌチグスイ(命の薬)」の思想に貫かれた宮廷料理と庶民料理の二重構造を持つ食文化。豚肉を多用する点が本土の精進的な和食と最も異なり、琉球王国時代に中国からの冊封使を歓待するために中国料理の豚調理が導入され、鳴き声以外は全て食べると言われるほど内臓まで余さず使う。代表は豚の角煮ラフテーで、中国東坡肉がルーツ、泡盛と黒糖と醤油で3時間とろとろに煮込む。昆布は北海道産が北前船を経て琉球王国に大量輸入され、現在も沖縄県の昆布消費量は全国一、クーブイリチーやクーブジューシーとして結納にも用いられる。宮廷料理は冊封使の7日間の接待料理として発達し、前菜九種、吸い物、中味汁、東道盆など格式が高い。一方庶民料理はチャンプルーやイリチー、ウムクジ天ぷらなど素朴だ。首里の料亭や那覇市の山羊料理専門店で食べられるほか、国際通りの郷土料理店で6000円前後の琉球宮廷膳を体験できる。味付けは鰹だしと豚だしが基本、調理法は揚げるアゲモン、焼くヤチモン、煮るニモン、蒸すムシタチの4法を厳守する。ヘルシーさが長寿の要因とされ、世界無形文化遺産登録を目指す動きもある。 沖縄の強い日差しや潮風、伝統と現代が交差する暮らしの中で、訪れる人が自分の五感で確かめることでより深く理解できる。