三線は沖縄音楽の象徴であり、胴にニシキヘビの皮を張り、棹は黒木(クルチ)と呼ばれるイスノキ、弦はかつては絹糸で鳴らす長さ80センチほどの三弦楽器。中国福建省の三弦が原型で、1392年明の洪武帝が閩人三十六姓を琉球に派遣した際に伝来した説と、15世紀以降の進貢貿易で本格的に持ち込まれた説がある。琉球王国では士族の嗜みとされ、冊封使を歓待する御座楽や組踊の伴奏として磨かれた。王府は三線匠を置き、棹の太さや型で身分を示すほど重視した。譜面は工工四(くんくんしー)と呼ばれ、漢字三文字で弦の押さえ位置を示す独自の楽譜で、1710年湛水親方がまとめたと伝わる。戦後は米軍基地の廃材で作られたカンカラ三線が庶民に広まり、平和運動の象徴にもなった。棹の最高級は八重山産黒木の芯材で10年以上の乾燥が必要、蛇皮はワシントン条約で規制され、今は人工皮も普及するが音色は本皮が圧倒的に豊か。演奏では人差し指に水牛の角の爪を付ける。2018年には琉球三線が経済産業省の伝統的工芸品に指定。ゆいレール牧志駅近くの三線店では1時間体験で「かじゃでぃ風」を弾け、翌日の民謡居酒屋で生の三線を聴くと音色の意味が一層深まる。 沖縄の強い日差しや潮風、伝統と現代が交差する暮らしの中で、訪れる人が自分の五感で確かめることでより深く理解できる。