琉球ガラス・やちむんは沖縄を代表する工芸の二本柱で、米軍統治期の困窮から生まれた再生の物語と、王国時代から続く土の文化が同居する。ガラスの起源は戦後、米軍基地で捨てられたコーラやビールの瓶を職人が拾い集め、砕いて溶かして再生したことにある。不純物を完全に除けないため気泡が入り、厚みがあり、青や緑や琥珀色が混ざるぽってりとした表情が逆に個性となった。技法は宙吹きと型吹き、窯は1300〜1500度で昼夜を問わず焚かれる。1975年沖縄国際海洋博覧会で土産品として爆発的に注目され、職人が急増、那覇の壺屋や読谷のやちむんの里と並ぶ工房集積地として1985年に糸満市に琉球ガラス村が開業し、物流と観光の拠点となった。1998年には沖縄県伝統工芸製品に指定。一方やちむんは琉球語で焼き物を意味し、1682年尚貞王が那覇・首里に散在した窯を壺屋に集めたのが始まり。読谷山焼、壺屋焼、登り窯の赤土と白化粧、魚紋や唐草などの素朴で力強い絵付けが特徴。戦後人間国宝金城次郎らが復興を牽引した。現在は読谷村やちむんの里では登り窯と共同売店があり、作家ごとに手に取って選べる。昼過ぎの窯場は風通しが良く、購入後は沖縄の強い日差しの下で色がどう変化するかを楽しむのも醍醐味だ。ガラスは冷茶や泡盛グラス、やちむんは深いマカイや皿鉢に盛るゴーヤーチャンプルーやラフテーと相性が良く、旅の記憶を食卓に持ち帰る土産として長く愛用できる。