那覇市第一牧志公設市場は戦後闇市から出発した「沖縄の台所」で、那覇市民の食と観光客の好奇心を同時に満たす生きた博物館である。起源は1945年戦後、那覇市開南から松尾に自然発生した闇市で、米軍配給物資や台湾、香港からの密貿易品が並んだ。那覇市は1948年ガーブ川沿いに公設市場として整序、1950年に廃材利用の建物で精肉と鮮魚の営業を開始した。ガーブ川は大雨で氾濫し腰まで浸水する過酷な環境だったが、1962年から暗渠化が進み、1969年第二牧志公設市場ができ、1972年復帰時にコンクリート造に再建され「第一」を冠するようになった。以後県民の台所として鮮魚、豚肉の各部位(チラガー、中味、テビチ)昆布や鮮やかな熱帯魚のブダイ・アバサーが並ぶ景観で人気を博す。建物老朽化で2019年から近隣仮設で営業し、2023年3月19日、吹き抜けの新築3階建てにリニューアル。1階は約50店舗、2階は食堂街で、名物の「持ち上げ」システム、すなわち1階で買った魚を2階で調理してもらう(調理代500〜800円)ことで伊勢エビやセミエビも刺身と味噌汁にできる。定休日は第4日曜日と旧盆。朝9時から20時までで、朝の仕入れ風景は活気に満ち、方言で書かれた値札を読むだけでも楽しい。