日和佐のウミガメは徳島県南部美波町の大浜海岸で5月下旬から8月にかけて産卵のため上陸するアカウミガメを指し、同海岸は全長約500メートルの白砂の浜で、1967年にアカウミガメ及びその産卵地として国の天然記念物に指定され、日本の渚百選にも選ばれている。1950年から地元住民による保護活動が始まり、現在は日和佐うみがめ博物館カレルカを拠点に、産卵期の5月20日から8月20日まで夜間の海岸立入制限、早朝のパトロール、清掃活動、孵化調査、卵の移植保護が行われる。アカウミガメは世界的に減少する絶滅危惧種で、一頭が一晩に80~150個の卵を産むが孵化率は自然では波や天敵により低い。美波町では卵を安全な保護区へ移し人工孵化させて約60日後に子ガメの放流会を夏休みに開催し、子どもたちがカメと共生する暮らしを学ぶ環境教育の場となっている。観光客は昼間の海岸で産卵跡の足跡や保護柵、解説パネルを見学でき、博物館では子ガメの水槽や剥製展示が観察できる。大浜海岸のウミガメ保護活動は1950年に当時の中学生が漂着した子ガメを救ったことから始まり、現在は美波町立日和佐中学校の総合学習として継続している。博物館カレルカでは人工孵化した子ガメを一年間飼育してから放流するヘッドスターティング法が日本で初めて導入され、回遊追跡のために標識を付けて放流する。近年は砂浜侵食と海面上昇、夜間照明の増加が産卵環境を悪化させ、住民はLED照明を暖色に変更する活動にも取り組んでいる。