阿波尾鶏は徳島県が20年以上の歳月をかけて軍鶏と白色プリマスロックを交配して作出した地鶏で、特定JAS地鶏に認定され、飼育期間80日以上、飼育密度1平方メートルあたり10羽以下、28日齢以降平飼いという厳しい基準を満たす高級地鶏である。適度な歯ごたえと噛むほどに広がる脂の甘み、コクのある赤身が特徴で、一般的なブロイラーとは一線を画す。徳島県内の居酒屋では骨付き阿波尾鶏の一本焼きが名物で、17種類のスパイスに漬け込み炭火でじっくり焼き上げ、外はパリッと中はジューシーに仕上げる。もも、むね、ささみ、手羽それぞれの部位の味わいが異なり、たたき、親子丼、阿波尾鶏ラーメン、唐揚げ、つくねにも展開される。徳島市内の専門店では低温調理の刺し身や炙りが提供され、すだちを絞って山椒塩で食べるのが地元流である。生産履歴管理が徹底されラベルに農場番号が記載され、海外のフレンチやイタリアンシェフからも高く評価されるブランド地鶏である。阿波尾鶏の飼育は徳島県西部の山間部で朝と夕方の二回放し飼いをしながら行われ、飼料に徳島産のすだち粕や阿波茶を配合する農場もある。出荷前にはストレスを避けるため暗所で休息させ、肉質を安定させる工夫が取られる。徳島市の精肉店では一羽丸ごと購入が可能で、モモ、ムネ、ササミ、皮、レバーなどの部位別販売と共に、阿波尾鶏を使ったコラーゲンスープがセット販売され、観光客が持ち帰り鍋として人気を博している。