そば米雑炊は徳島県三好市祖谷地方の郷土料理で、米が取りにくい山間地でソバの実を米の代わりにして雑炊にした保存食の知恵である。そば米はソバの実を蒸して殻を取り、塩茹でして乾燥させたもので、直径2~3ミリの丸い粒が特徴で、プチプチとした食感が楽しめる。これを大根、人参、椎茸、油揚げ、豆腐、葱などの野菜と鶏肉や阿波尾鶏と一緒に、そばつゆや合わせ味噌で煮立てることで、香ばしいそばの風味が広がるヘルシーで栄養価の高い雑炊となる。祖谷では平地の米が貴重だったため、ソバを主食にした栄養補給の工夫として江戸時代から伝えられ、現在もかずら橋周辺の古民家の囲炉裏端で、でこまわしや栃餅、祖谷豆腐と共に提供される。観光客向けにはアレルギー表示が徹底し、そばアレルギー対応のメニュー表記も整備され、グルテンフリー志向の外国人やベジタリアン向けに昆布出汁仕立てのバージョンも用意される素朴な郷土食である。そば米雑炊は祖谷地方の保存食として江戸時代の飢饉を生き延びた歴史があり、祖谷の古民家では現在も囲炉裏の自在鉤にかけた鉄鍋で煮る作法が守られる。そば米はプチプチとした食感と香ばしさから健康志向の消費者に雑穀米として再評価され、徳島県の学校給食にも週に一度登場する。観光施設ではそば米の収穫体験と乾燥体験がセットになった宿泊プランが提供され、乾燥させたそば米を持ち帰り自宅で雑炊やリゾットにアレンジする旅行者が増えている。